研究紹介
RESEARCH
本コースでは大電力・プラズマ・レーザ・電波・IoTを用いた研究や、
電気自動車用新型モータの新規開発など幅広い分野を研究しています。
ここでは研究の一例をご紹介します。
研究テーマ紹介
電気自動車用新型モータの開発
現在の電気自動車用モータには高性能磁石が必要不可欠です。しかし、この磁石は高価なだけでなく高速走行時において高効率を維持できません。私たちは磁石を用いることなくどのような速度で走行しても常に高効率を実現できるモータを開発しています。
レーザアブレーションを利用した小型磁石の作製
近年、電子機器の小型化に伴い、機器内部に使用される磁石の小型・高性能化が求められています。私たちはレーザを用いたPLD(Pulsed Laser Deposition)法という技術を利用して、0.00001メートルサイズの小型磁石の作製と評価を行っています。この技術はMEMSや小型モータなどの新規デバイスへの応用が期待されています。
めっき法を用いた極薄鋼板の作製
最近、パワーエレクトロニクス技術が進展してきたことに伴い、高い周波数で使える金属磁性材料(磁石にくっつく材料)の開発が強く望まれています。周波数が高くなると電力損失が急増するため、その対策が必要になります。その対策の一つが薄い材料を作製することであり、高速で成膜できる電解めっき技術を用いた極薄鋼板の作製を行っています。
モジュラーマルチレベルコンバータ(MMC:Modular Multi-level Converter)の制御
MMCは次世代の新しい電力変換システムとして注目されていて、その新しい回路方式や制御方法と、その応用として、電力系統システムである太陽光発電のパワーコンディショナや電力送電のパワーフローコントローラなどのテーマを研究しています。
レーダーによるイメージング
レーダーを利用することにより、可視光や赤外線と違う電磁波である電波で画像を作ることができる。これらの技術は、地球観測衛星にも利用され、宇宙から地球を見る技術として使われている。その技術の基礎的な実験を研究室で行っている。
水上雷による水質浄化の研究
近年「難分解性物質」による自然環境への影響が懸念されています。この物質は現在の浄水処理過程で分解することが困難です。私たちは水面に「人工的な雷」を発生させて「難分解性物質」を分解する技術を研究しています。薬剤を使わないため環境に優しい技術として注目されています。
プロセシングプラズマの診断計測モニタリング法の開発
半導体製造用プラズマ中の各種粒子の速度分布関数の診断計測は極めて重要である。当研究室では、波長可変の外部共振器型半導体レーザー(ECDL)などのレーザ光源を用いて、プラズマ中の粒子の吸収分光計測などを行っている。また、正イオンのみならず負イオンのエネルギー分布関数も測定できる簡便で安価な磁気フィルタ付反射電界型エネルギー分析器(RFEA)の開発も行っている。
SDGs達成に貢献する電磁エネルギー変換技術の研究
国連において2030年を達成年限として持続可能な開発目標SDGsが定められています。その内、エネルギーと気候変動に関する目標の達成に貢献できる電磁エネルギー変換技術を研究しています。脱炭素化と持続可能エネルギーの創出をキーワードに、電気自動車駆動用モータや風力発電システム用発電機の効率の向上、回転振子式波力発電システムの実現を目指しています。
高速道路や橋梁の水平ひび割れの非破壊検出
高速道路や橋梁などは重車両の通過によりコンクリートに水平ひび割れが生じます。しかし、水平ひび割れは目視で確認できないため、状態にかかわらず定期的に補修が行われています。我々はアスファルトの上空に送受信機を設置し、非破壊でコンクリート中の水平ひび割れを検出する装置を開発しています。
超高速光通信用光デバイス
グーグルやアマゾンなど先進IT関連企業は独自のデータセンタを保有しており、そのデータ伝送速度向上や消費電力低減を課題とし既存の電気信号だけの通信方式では不十分で光通信技術発展を必要としています。私は超高速光伝送に必要な光変調器デバイスをプラスチック材料とガラス材料により実現しさらなる超高速化、低消費電力化を目指しています。さらに危険ウィルス検知のための光デバイスを研究開発しこれを光ファイバと組合わせ病院、入国管理、クルーズ船内部のウィルス検知を遠隔、分散、広範囲に行います。
防災用遠隔地モニタリングの研究
近年、未曾有の大型台風やゲリラ豪雨によって、斜面の土砂災害が多発しています。私たちは、電気電子の技術を応用して、立ち入りが困難な場所(遠隔地)での災害に繋がる情報をモニタリングして、未然に防ぐ技術を研究しています。この技術は、「インフラ老朽化」のメンテナンス費用の削減策としても期待されています。
電波による乳がん診断装置の開発
現在、乳がん診断ではエックス線を用いた装置が利用されています。しかし、エックス線装置では、「痛み」、「見落とし」などの問題があります。私たちは電波を用いた検出方法を提案し、痛みがなく検出率に優れた乳がん診断装置を開発しています。