研究室の概要

　阿部・大友研究室では自動車や船舶，家電製品などに用いられるモータや電力変換装置（パワーエレクトロニクス回路）および，それら制御手法の高性能化に関する研究を行っています． 実際のモータやパワエレ回路を用いた実機試験から，最新の最適化アルゴリズムを用いたモデルベース開発および計算機シミュレーションまで，電気機器の設計開発に関する幅広い研究を実施しています．

研究紹介

半波整流可変界磁モータの高性能化

―― 幅広い運転領域における高性能化の実現 ――
速度や負荷に応じて界磁磁束を自在に可変し，幅広い運転領域で高効率な駆動が期待できる「半波整流可変界磁モータ」の高性能化に向けた，モータ形状最適化や制御手法の開発を行う．

モデルベース開発（MBD）に関する研究

―― 自動車や船舶の特性向上に向けた設計手法の開発 ――
自動車の設計段階から，燃費，CO2排出量，制御性能などの考慮を可能にする，VHDL-AMS記述によるシミュレータを開発する．さらに，小型電池推進船用の新たなシミュレーションモデル構築に向けた検討を行う．

小型IPMモータのセンサレス制御と高性能化

―― 高い信頼性と汎用性を有するモータ制御手法の開発 ――
小型IPMモータ用ドライブシステムの低価格化，小型軽量化，信頼性向上のため，120度通電方式位置センサレス制御をはじめとする，新しいモータ制御手法の開発と検討を行う．

SRモータの実測テーブルを用いた制御手法の開発

―― SRモータ制御システムのセンサレス化の実現 ――
スイッチトリラクタンスモータ（SRモータ）におけるトルク，電流，インダクタンスの非線形性を考慮した制御を実現するため，実測テーブルを用いた制御手法の開発を行う．さらに，位置センサレス制御の実現に向けた検討を行う．

計算知能を用いたモータ形状の自動設計（トポロジー最適化）

―― 設計者の知識を超える高性能モータ設計の実現 ――
最新の最適化アルゴリズムや機械学習を用いて，設計者の既存の知識では考えつかない高性能モータを，計算機に自動設計させることを目指す．特に，形状を自由変形により最適化する，トポロジー最適化に関する検討を行う．

高効率ワイヤレス給電システムの開発

―― 様々な使用環境における高効率給電の実現 ――
ワイヤレス給電に用いられる送受電コイル間の空間位置変動や回路負荷変動に対し，常に高効率を達成するようなコイル形状ならびに回路制御手法を開発する．

等価回路を用いた電気電子機器のモデル縮約

―― 電気電子機器の解析時間の削減 ――
電気電子機器の周波数特性解析や過渡応答解析を高速に実現するための，新しい等価回路技術を開発する．特に，渦電流や変位電流など，既存のシミュレーションでは解析に時間を要する問題に対して，等価回路化を実現する新たな手法を検討する．